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【横浜国立大学2021】後期合格者数が大幅に増加!その理由は?

横浜国立大学は、二次試験の実施を中止して共通テストのみで合否を決めると発表したり、その影響か志願者数が例年に比べて激減したりして話題になりました。

 

 今年の国公立大学の入試は、すでに後期日程も含めてすべて終了し、今は後期入試の合格発表期間です。

 

こちらの記事でも書きましたが、横浜国立大は定員に対する合格者の割合が約130%となっており、他の国立大と比べるとかなり高くなっています。

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今年の横浜国立大は合格者数が増えそう?

 今年の横浜国立大は共通テストで合否を決めたので、例年のように出願者の中から二次試験の欠席者が出るということはありません。

 

特に後期入試は、前期入試で合格した人や、第一志望が私大で、その私大に合格した人などは基本的に受験しないので、例年かなりの欠席者が出ます。この事実を考えると、後期日程で横浜国立大に合格した人の辞退率は、かなり高くなるでしょう。

 

当然、大学は入学者数を定員と同じくらいにしたいので、辞退率が高いと予想される後期日程は定員よりかなり多くの合格者を出しそうです。

 

今回はこの予想が正しいか確かめるために、2021年度と2020年度の後期入試における横浜国立大の定員と合格者数を見ていきます。

 

横浜国立大の定員と合格者数

2021年度

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経済学部と経営学部はかなり合格者数が多い印象を受けますが、理工学部と都市科学部は学科によるものの、それほど多くはないようです。

都市科学部の環境リスク共生学科に関しては、募集人員通りの合格者数しか出していません。

 

2020年度

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2021年度に比べると低いですが、募集人員の1.2~1.4倍くらい合格者数を出している学科がたくさんあります。国立大学にしてはかなり高い割合です。

都市基盤学科と環境リスク共生学科に関しては、なんと2倍以上になっており、2021年度を大きく上回っています。

 

2021年度と2020年度の比較

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2020年度の横浜国立大の後期入試では、志願者のうち受験者したのは、わずか42%でした。

そう考えると昨年より多いとはいえ、定員を満たすためには、1.28倍程度では合格者数が足りないのではないか?と思うでしょう。

 

合格者数を多くとる必要がある本当の理由

実は大学側は前期入試で受かった人を把握して、その人たちを後期入試の合格者から除くことができます。

 

国公立大学は共通テストを運営する「大学入試センター」を通じて、入試情報を得ることができます。

そのため、二次試験を行わなくても、「前期入試で合格した人を後期入試で合格させる」という無駄な合格を出してしまう事態を防ぐことができるのです。

 

それなら例年より多く合格者を取る必要がないのではないか?と逆に思うかもしれません。

しかし大学側は、前期入試に合格した人は分かっても、横浜国立大と早慶などの私大の両方に合格した場合に私大を選ぶ人を知ることはできません。

 

早慶の合格発表は後期試験の前に終わっているので、例年であれば、横国に出願したけれど、横国と早慶で早慶を選ぶという人は、横国を受験しません。

しかし今年は二次試験がないので、早慶を選ぶ人(すなわち後期入試日の時点で横国に行く気がない人)でも横国に合格してしまいます。

 

横国はこのような早慶に流れてしまう人の数を予測して、例年より合格者数を多くする必要があるのです。

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しかしそんな人がたくさんいるの?と疑問に思う人がいるかもしれません。

 

確かに早慶が第一志望の人で、後期に横国に出願する人はほとんどいないでしょう。しかし東大や京大などが第一志望で、後期は横国に出願し、早慶も受験している人は割といます。

第一志望に落ち、早慶に合格した人の中で、横国より早慶に進学したいと思う人は多いと思います。

 

このような人は前期で合格しているわけではないので、後期の枠争いから除かれません。しかも元々、東大や京大などレベルの高い大学を志望していたことから、共通テストはかなり高得点で、横国の合格ラインを超えているという人は多いでしょう。

 

ちなみに横国と早慶の両方に合格した場合に早慶を選ぶ人の割合は、理系より文系の方が高いですよね。

経済学部と経営学部が理工学部と都市科学部に比べて、募集人員に対する合格者数の割合が高いのは、そのためです。

 

最後に

前期で合格した人はどうなるのか?横浜国立大を蹴るのはどういう人なのか?など合格者数を考えるうえで、考慮すべき点が多く、理解するのが難しかったかもしれません。

今年の受験は異例の事態が多く、受験生にとっては本当に大変な1年だったと思います。