MENU

国立私立、文系理系の偏差値は比較可能?

こんにちは!らいとです。

今回は異なる大学、学部の偏差値を比較するときの注意点について説明していきたいと思います。前回の記事『大学の偏差値って何を表してるの?』を読んでいない方は先にそちらを読んでください。前回の記事はこちら ↓

 

偏差値にセンター試験の結果は含まれていない

前回述べたように、予備校が発表している大学の偏差値は、その予備校が開催している模試の受験者が取った偏差値とその受験者の入試本番の合否をもとに決められています。(その決め方は前回の記事に詳しく述べられています。)

 

模試には、国公立大1次や私大センター利用に関わるセンター試験の出来について判定するマーク式のものと、国公立大2次や私大一般入試の合格可能性を判定する記述式のものがあります。

※来年度からセンター試験ではなく共通テストになりますが、ここでは今年度までの話をしていると思ってください。

 

下の画像は河合塾のデータです。

f:id:kasisuorange:20200414105002p:plain

この画像を見ればわかるように、偏差値は2次試験のものであり、センター試験は得点率として別に記載されています。つまり予備校が発表している偏差値は記述式の模試の偏差値です。そこにマーク式の模試の結果は含まれていません。

聞いたことがある方も多いとは思いますが、国公立大学の判定の際には、マーク式と記述式の結果を合わせたドッキング判定が行われています。

 

理系と文系の偏差値は比較可能か?

ここまでの話で、予備校が発表している偏差値が記述式の模試の偏差値であることは分かっていただけたと思います。

そもそも大学受験に限らず、偏差値がどういう意味なのか知っているでしょうか?広辞苑には、偏差値とは「学力などの検査結果が集団の平均からどの程度ずれているのかを示す数値」と書かれています。つまり集団が違えば、比較することはできないということです。ですから理系と文系の偏差値は、基本的に比較できません。

ちなみに下位層は数学が苦手で文系にする人が多いことや、レベルの高い医者を目指す医学部志望の人が一定数いることなどにより、理系のほうが集団のレベルが高く、偏差値が文系よりも低く出ると言われています。

 

国公立と私立の偏差値は比較可能か?

もちろん理系同士、文系同士での話になります。先ほど述べたように、国公立の偏差値は2次試験のものです。国公立の2次試験と私立一般入試で使用する科目が異なる場合は、これも集団が異なるため比較できませんが、同じ場合は一部条件付きで比較することができます。

科目が同じ場合、比較できるのは国公立2次と私立一般ということになりますが、国公立の方にはセンター試験でボーダーぴったりの得点を取った状態で2次試験を受ける場合」という仮定が必要になります。

ボーダーより高ければ、二次試験でより悪い出来でも受かるし、逆も同じことが言えるからです。わかりにくいと思うので具体例を挙げます。

センター試験のボーダーが80%、偏差値60の国立大Aと偏差値60の私大Bがあり、A大の2次とB大一般入試の科目が同じであるとします。この場合、「センター試験80%ぴったり取った人はA大とB大に合格する可能性が同じである」ということです。

 

ここで注意が必要です。

このような仮定の下で偏差値を見て判断できるのは、難易度(合格可能性)であって受かるのに必要な努力量ではないということです。

つまり国公立大志望の人はセンター試験のみの科目に充てる勉強時間分、多く努力する必要があるということです。

 

よく「私大の偏差値は高く出ている」と言う人がいますが、それは「国公立大志望の人がセンター試験のみの科目に充てていた勉強時間を、2次試験で使う科目に充てていたらもっと偏差値が上がった可能性が高い」というのが正しいです。

もちろん科目数が少なければ同じ原理で高くなります。その上がり幅は推測することしかできませんが、それを仮定すれば必要な努力量も比較できることになります。

 

まとめ

長くなってしまいましたが、偏差値を比較するときは今回の内容を意識してみてください。何かわからないところがあったらコメント欄に書いてください。